さけるチーズを普通に指先で裂いて食べようとすると、
だんだんと爪の間にチーズが入り込んできて不快だ。
しかし、さけるチーズという商品そのものは、
コンビニで、たまご蒸しパンと、オクラ海藻サラダと、エビアンあたりと一緒にチーズを手に取るような現代的な女性をターゲットにしているに違いないのだから(先入観)
チーズが爪の間に溜まるというのはなんだか汚い。
イメージとしてちょっとよくない。
ということは。
さけるチーズには指先で裂くという以外の、エレガンスな正規の食べ方があるに違いない!
①横笛
A.さけるチーズを横にして持つ。
B.片方の先端にそっと口をつけ、任意の量のチーズを歯ではさむ。
c.そのままチーズを横にスライドさせてチーズを裂く。
繰り返しチーズを裂いていく仕草は、まるで横笛(大きさ的にはハーモニカ)を吹いているかのようである。
チーズの店頭レイアウトやパッケージ印刷の縦向きを、あえて横を定位置に改めたところに、リコーダーを横に倒して奏でるやんちゃな小学生の心意気が感じられる一品である。
②縦笛
横笛の縦バージョン。
ややエレガンスさに欠ける。
手の軌道によってはチーズが鼻につく恐れがあるが、逆に、昼過ぎて鼻の頭に浮いてきた油を、同僚とのランチタイムの間を利用して人知れずふき取ることも可能である。
頷いている仕草に似るため、嫌な人の話に相槌を打つ振りをして、マイペースに食事を楽しむことができる。
③裂かない
いっそ裂かない。
「さけるチーズ」と「さくチーズ」の違いがわかり、且つ、さけるものをさかない心に余裕のあるオトナならではの食べ方である。
4Gのipodに1Gしか入れない心の余裕である。
ダブル録画できるのに普通の録画さえしない心の余裕である。
④フォーク
手で直にチーズを触るリスクさえ回避している。
フォークでチーズを刺し、口でチーズを裂くタイプと、
フォークとナイフを使うタイプに分かれる。
フォークのみの場合、棒アイスの棒部分にまとわりついた最後のひとくちのアイスの処理法に似たジレンマが発生する。
フォークとナイフを使うやり方は別名「反逆」と呼ばれる。
さけるチーズの手軽さに対する冒涜を「父殺し」、
チーズの繊維とは垂直方向にナイフで切り裂く行為を「母殺し」という。
私は横笛派です。
て、ここまで書いて気づいた。
指先で裂いたときに爪の間にチーズが入るのは、
限界まで細かく裂こうとする浅ましさの所為だってことに。
別のところにあった日記を今日からこっちに移植。
日々のちょっとしたメモ帳に。
盗まれた自転車が出てきた、というので警察に行った。
男前の新米警察官が「いつ盗まれたんですか?」と訊くので
「10日か11日か、14日か15日か、17日です」と答えたら、
「どうやって書類に書こう・・・」とたいそう困っていらっしゃった。
男前の憂いた顔は素敵だけど、憂いさせるのはいい女じゃなきゃ申し訳ない。
記録することはきっと大切だ。
新米警察官だったころのケインコスギが好きだ。
新米警察官だったころのケインコスギのカタコトが好きだ。
新米警察官だったころのケインコスギの殉職のせりふは「オカアサーン!」だ。